卒業式袴レンタルのお役立ち情報
男袴のレンタル
紋付袴って何?歴史や格式、卒業式当日トイレの仕方まで
紋付袴を卒業式で着たいという男性の方が、ここ数年で増えています。
両親や彼女にお願いされて、坂本龍馬に憧れて、一生に一度の卒業式だから男友達との思い出に。
そんな理由から紋付袴を選ばれる大学生の男の子たち。
ですがそもそも、紋付袴とは「礼装」である、ということはご存知でしたか?
「かっこいいから」という理由で選びがちな紋付袴の歴史や種類ごとの格式、トイレ方法など紋付袴のマナーもご紹介いたします!
卒業式で男袴を着られるなら必見です!
紋付袴の歴史
紋付袴の歴史はご存知ですか?
大学の卒業式で男の子たちが着られる紋付袴は、もとは江戸時代の武士が着る「略礼服」でした。
この「略礼服」とは、結婚式にお呼ばれした時などに着るカジュアルなもの。
それがお金持ちの町人たちが結婚式やお葬式で、「第一礼装」として新郎たちが着るようになり、現代にも伝わっているのです。
平安時代は黒の濃さも重要だった
紋付袴の代表的な色である「黒」。
結婚式やお葬式などの正式な場で着用する「礼装」になったのは江戸時代以降でしたが、平安時代から「黒」はお葬式で使用されていました。
その際、黒の濃淡で死者との親しさを表現していたのです。
親族などの親しい方が亡くなった時は漆黒を、あまり親しく交流することが無かった方のお葬式の場合は鈍色(にびいろ)という浅い黒色を身にまとっていました。
着物の生地を染色する際、黒は一度では染まりきらず何日も繰り返し染めていかねばならないため、手間暇をかけた漆黒の着物は生前親しかった方のお葬式に相応しいとされていたのです。
格式ごとに種類が違う紋付袴!卒業式に相応しいのはどれ?
男性ものの和装には第一礼装、略礼装、普段着とランクがあります。
では、大学の卒業式で着る機会が多い男紋付きは、一体どのランクのものなのでしょうか。
日本の伝統的な服装として第一礼装だと思われる方や、「男袴=ヤンチャ」という昔ながらのイメージを持っている方は、そもそも卒業式に着ていくのはアリなの?と思われるでしょう。
そんな大学生のために卒業式を迎える前に男性ものの礼装について、ご説明していきます。
第一礼装
結婚式の新郎や親族、成人式や大学の卒業式で着られるのが第一礼装である紋付袴。
最近では小学校の卒業式でも男の子の服装として選ばれています。
紋付き袴に合わせる着物、羽織は黒に染めたもの。
あらかじめ生地を染めて着物や羽織を作ったものより、白地の布で着物などを作り、染めたものの方が格式が高いとされています。
羽織の裏は結婚式の新郎が着用するなら白羽二重(しろはぶたえ)と呼ばれる白地の生地が正式ですが、成人式や卒業式で着る場合は色羽二重(いろはぶたえ)と呼ばれる色があるものや、絵羽模様(えばもよう)と呼ばれる絵が綴られたものも着用可能です。
紋は日向紋(ひなたもん)と呼ばれる白く染め抜く技法が使用されている。
この日向紋で、左前、右前、背中、左袖の後ろ、右袖の後ろの5つに紋が入った「五つ紋」が施されたものが最上級とされています。
ちなみにこの紋を入れる場所、それぞれ正式には背紋(せもん)、袖紋(そでもん)、抱紋(だきもん)と呼ばれています。
卒業式や冠婚葬祭用に仕立てる場合は自分の家紋を入れて仕立てたもらいます。
家紋が分からなかったり、卒業式袴を扱うレンタル店で紋付袴をレンタルする場合は、自分の気に入ったデザインの紋で構いません。
袴は縞柄
第一礼装の紋付袴では、縞模様の袴を合わせます。
袴の形にはズボン型になった「馬乗り」と、スカート型になっている「行灯」という仕立て方がありますが、男性に人気なのはやはりズボン型の「馬乗り」袴。
どちらも第一礼装用の袴として使用でき、男袴を扱う京都さがの館でも男性には馬乗り袴をご提供しています。
略礼装で紋付袴を着る場合
第一礼装よりも少しカジュアルな着こなし方が可能で、お茶会に参加する時や結婚式にゲストとして参加する時に着るものです。
第一礼装と違い自由度が高いので、卒業式や成人式でも好まれます。
着物や羽織
略礼装の紋付袴では「色羽二重」を着用し、明るく爽やかに着こなす方が一般的です。
「色羽二重」の次に格式高い「お召」という種類の着物でも紋が付いていれば略礼装として着こなすことができます。
「色羽二重」と「お召」は共に絹糸を使用しており光沢がありますが、「色羽二重」の方が柔らかみがあります。
紋は三つ紋か一つ紋
五つ紋の第一礼装とはことなり、略礼装の紋付袴では紋を入れる数も3つ、またはより気軽に着るなら1つで構いません。
卒業式という公式な式典ではありますが、壇上に上がる機会が無い限りは1つ紋でも大丈夫でしょう。
袴
略礼装の紋付袴では無地の袴を合わせるのが一般的です。
色は着物や羽織に合わせて好きなもので構いません。
京都さがの館では、珍しい龍の紋が入った袴をレンタルすることも可能です。
紋付袴で卒業式を迎えるならマナーを知りたい!
卒業式で紋付袴を着られる男性方が、一番気になることはトイレの方法。
紋付袴のレンタルを扱う京都さがの館でも、毎年必ず着付の際に聞かれます。
卒業式当日は7時や8時頃から夕方頃までずっと紋付袴を着ていますよね。
そうなると絶対一度は紋付袴の着用時にトイレへ行きたくなるもの。
馬乗り袴の紋付袴で用を足す際は、袴を横に引っ張って広げると、片足をもう片方の袴の中に入れることができるので、そのまま袴を持ち上げると◎。
助けて!紋付袴が着崩れた時
紋付袴が着崩れないことが一番ですが、やはり卒業式という一生に一度の素敵な日。
お友達とはしゃいだり、騒いだりすることもありますよね。
そうするとせっかく綺麗に着付けた紋付袴も着崩れてしまうことがあります。
もし、襟元が乱れてしまった際には袴の右脇から手を入れて着物を軽く下に引きましょう。
左脇から着物を引くのも忘れずに。
両側から同じ用に引っ張ることで、乱れた襟元もピンっと戻り凛々しい紋付袴姿に戻れます。
力を入れて強く引っ張ると、着物の背中の線がズレてしまうので注意が必要です。
では、そもそも紋付袴の着用時に着崩れしないためにはどうすればいいのでしょうか。
やはり一番はプロの着付師に紋付袴の着付けをしてもらうことです。
自前の紋付袴を持っている方は、自宅で着付けをされることもありますが、プロの着付師は毎年何百人もの大学生を着付けています。
紋付袴などの卒業式袴を扱うレンタル店だと、卒業式当日の着付けもパックになっていたりするのでおすすめです。
また、紋付袴でタクシーなどの車に乗る時・階段や卒業式会場の壇上を上る時・電車や卒業式会場の椅子に座る時、この3つの場面で着崩れしないように気をつけておけば安心です!
紋付袴での乗車時
足の方から車に乗ると袴がめくれ上がったりするので、お尻から乗るのがポイント。
袴の両脇に両手を入れて、後ろに持ち上げながら乗り込んでください。
車に乗り込むと次は袴の前を持ち上げて体を正面に回転させると綺麗な着付けを保てます◎。
階段や壇上を上がる時
階段や壇上を上がる時の立ち振舞はとっても大事。
紋付袴のかっこよさに関わります。
卒業式の式典中、みんなの前で転びたくないですよね。
袴の裾を踏まないように、袴を持ち上げながら上ってください。
着崩れの防止にもなりますよ。
卒業式会場の椅子や電車の席に座る時
紋付袴で座る時は、そのまま座ると後ろがずれ落ちてしまうので、少し後ろを持ち上げながら座りましょう。
背もたれにもたれてしまうのも気崩れてしまうのでいけません。
姿勢を正しながら、浅めに座ると安心です。
まとめ
大学の卒業式で男性がよく着られる紋付袴。
結局は、紋が入っていれば紋付袴とされるので、第一礼装・略礼装のどちらの装いでも卒業式には出席できます。
もし、厳格で格式高い服装で卒業式に出席したいなら第一礼装で、格式高い服装ではありたいけど、自分らしさも出したい!という方は略礼装がおすすめですよ。
こんがらがりやすい第一礼装と略礼装の特徴を表にしてみましたので参考にしてみてください。
第一礼装の紋付袴 | 略礼装の紋付袴 | |
---|---|---|
着物・羽織 | 黒に染められたもの | 好みの色で染められたもの |
紋 | 五つ紋。家紋、または好みのデザインの紋でも可 | 三つ紋、または一つ紋。紋の数が多いほど格が高い |
袴 | 縞模様の袴 | 色無地の袴、好みのデザインの袴でもよい |