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はじめての成人式振袖レンタル!
安心できる基礎知識

振袖の選び方

振袖選びのポイント│意味まであった色と柄

成人式に向けて着々と準備を進めている方も、そうでない方も、振袖を選ぶ時に何を基準に選びますか??

価格はもちろんの事、好きな色や、好みの柄、全体のバランスを見つつ、自分の気の入ったものを選びたいですよね?

一世一代の大イベントに、綺麗に着飾った姿でご友人達と楽しい思い出を作りたいものです。

今回振袖を選ぶ上で、重要になってくる色や柄について、詳しく説明していきたいと思います。

意味を理解すると、振袖選びの基準が変わるかも!?是非参考にしてみてくださいね!

そもそもなぜ成人式で振袖を着るの??

振袖をなぜ着るか悩んでいる女性

成人式で振袖を着るようになったのは、江戸時代頃に「大人になった証」として、袖を留袖にする風習があったとされています。

大昔に、祈祷師が袖の長い着衣を身に着け、神様に向けて袖を大きく振る姿を「魂振り」と呼んでいたことから、振袖には神様だけでなく、人との縁を結ぶご利益があるとされ、成人式の門出の日に着用されるようになりました。

また、未婚女性の第一礼装として改まった席に臨むので、ご両親への成長の証と、感謝の意味示すものとして振袖が着られるようになったとも言われています。

振袖の袖の部分が、大きく揺れると「厄を払う」ともされており、本来なら女性の厄は19歳、33歳、37歳、61歳の為、成人式を迎える前に本厄を迎えていることになりますが、本厄では、男女共に社会生活での変化が起こりやすいとともに、体の変化も訪れます。

人生の門出の日に、改めて「身を清める」意味でも、振袖が着用されるようになりました。

振袖の歴史

振袖の歴史

振袖はもともと、「長着(ながぎ)」と呼ばれ、足のくるぶしぐらいまでの長さで、袖が長いものを「振袖」と呼んでいました。

鎌倉時代にすでに振袖が着用されていて、江戸時代に入ってから流行したものとされていますが、まだその頃は、幼い男の子と女性だけが着ていたようです。

振袖の袖の内側が大きくあけられている理由は、熱がこもるのを外に逃がすためと言われています。

本来なら、18歳を迎えた時点で、袖を切る「留袖」にしていました。

経済が安定した頃になると、女性の花嫁修業の一貫として日舞を習わせる家庭が増えていきます。

袖が長いほうが、女性の舞う姿が美しく見えるとされていました。

しかし、1800年代には18歳を超える女性でも振袖を着用するようになり、本来の着用の意味があいまいになっていったことから、振袖を「未婚女性の第一礼装」、留袖を「既婚女性の第一礼装」にしたというわけです。

また意外にも、成人式で振袖を着るようになったのは、第二次世界大戦後になります。
戦後の憂鬱な気分を吹き飛ばし、将来を担う若者を元気づけたいと埼玉県の蕨市(わらびし)でとり行われたのが始まりです。
戦前にも成人式にちなんだ行事が行われており、通過儀礼として女性が身につけていた「裳着(もぎ)」にあたります。

ですが「裳着」は身分の高い女性しか身につけることができなかったため、一般的ではなかったようです。
いまでは「成人式=振袖」のイメージですが、その歴史をたどってみると時代背景が見えて面白いですね。

色の意味から振袖を

振袖の色

振袖を選ぶとき、ご自分の好みの色で選んでいますよね。
でも、ご存じでしたか?
選ばれた振袖1つ1つの色に、意味が含まれていたということを。

神聖な色とされている赤・青・黒・白

4色とも全く異なる色合いながら、共通して「神秘的な色」という意味が込められています。
これは古代、日本の色がこの4色から始まったとされているところからきています。
太陽の日の出の色を赤、太陽が空高くに上って、ものが良く見えるようになる頃を白、日が傾き沈んでしまうと黒、夜明けから日の出までの漠然とした色を青と、太陽の光の状態から色は始まったのです。
それゆえに、この4色には共通して神秘的な意味が込められていました。

江戸時代、病気の子供には「赤色の寝間着を着せて回復を願う」習慣があったことから、振袖で一番人気の赤には魔除けの意味があります。

青も同じく、悪霊から身を守る神秘的な意味合いから、宮中の神事用の衣服に青を使用していました。
また、紺によく似た「褐(かち色)」は「勝色」とかけて、武士の生死をかけた重要な色とされ、鎌倉時代の武士に愛好された色であり、明治時代以降も軍国色として使用されていました。

黒には、神の色と境界の色としての意味が含まれています。
『日本書紀』に出てくる三本足の黒いヤタガラスは、神の使い。
日本最古の鳥居を構える京都・野宮神社は、黒い鳥居で有名です。

白も、青と同じく穢れや悪霊を払う色として、神事の衣服に使用されています。
産所と喪服の両方に使用していたことから、白は生と死の対象的な概念を同時に表現できる色でもありました。

恋の予感を表現していた桃色

華やかで可愛らしい印象の桃色といえば、現代の私たちでも少女のような可憐さや、恋愛をイメージする色ではないでしょうか。
実は、平安時代にできた『源氏物語』にも恋の予感を桃色で表現していました。
サーモンがかったオレンジ寄りの桃色、「朱華(はねず)色」が、移ろいやすい恋の象徴とされるなど、今も昔も桃色は恋の色だったのです。

光や太陽など明るいイメージを持つ黄色

明るい黄色は、光や太陽をイメージさせます。
薄暗い空間の中でも明るく見えやすいことから、平安時代の十二単にも愛用されていました。

一方で、わずかに赤味を含んだ「くちなし色」などは、「物言わぬ色」として口にできない思いを表現していたと言われています。
恋の色である桃色と組み合わせることで、口に出せない恋や片想いの甘酸っぱさなど、メッセージ性を持たせることもできるのです。

癒しや調和の色とされる緑色

私たちが緑色を見て癒されるのって、四季の中で生活しているからこそ。
山や草、田んぼなど日本の原風景には 緑色があちらこちらにありますよね。
どこにでもある身近な色だからこそ、癒しや調和を感じる色なのです。

平安時代の十二単にも、緑色は黄色と同じく定番の色。
その時々の四季を表現していた十二単ですが、緑色は葉が枯れ始める秋や冬でも使用されていました。
そこから、平安時代の女性たちにどれだけ緑色が愛されていたか、想像もしやすいのではないでしょうか。

高貴で神秘的なイメージの紫

紫の高貴で神秘的なイメージは、日本だけでなく世界共通のもの。
紫が高貴な色とされる理由は、紫色を作る材料の貝紫(かいむらさき)が貴重だったからということは、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。
ですがこれは西洋でのお話。
中国や日本で紫は、貝紫ではなく「紫」という植物の根を使用して制作していました。
そこに、紫が高価で、高貴な色という西洋の文化が中国に渡来し、中国の紫への意識が変わり始めました。
そして中国から「紫=高貴」という文化が日本にも伝わったのです。

ご存じでしたでしょうか?

1つ1つの振袖の色には、意味があったこと。
古代から自然と共に生きてきた日本人は、自然の中から色を生み出し、それぞれに意味を見出して生きてきました。
位を12色で表現した奈良時代の冠位十二階や、自らのアイデンティティや知性、教養を表現するため平安時代の貴族の女性が揃って着用した十二単などが例としてあげられます。
そうなると、鎌倉時代から着用されていた未婚女性の第一礼装である振袖の色にも、意味があるということに納得がいくはず。
現代でも喪服は黒色、結婚式は白色など、特定の色を着なければいけないという常識や、それぞれの色に込められた意味があるのですから。

吉祥文様と有職文様

吉祥文様(きっしょうもんよう)と有職文様(ゆうそくもんよう)って、聞いたことがありますか?
吉祥文様はその名の通り、おめでたい文様のこと。
松竹梅や鶴、鳳凰などの文様がこれに当たります。
有職文様とは、円、曲線、六角形などの図形を中心に構成されていて、中国唐朝の時代に日本へ伝わりました。
平安時代以降、公家の装束や調度品などに使用されていた伝統的な文様になります。

未婚女性の第一礼装である振袖は、和装の中でも特に伝統的な文様も多く、1つ1つに意味や願いが込められています。
成人式に人気の吉祥文様や有職文様を知って、是非ご自分に合った柄の振袖を選んでくださいね。

吉祥文様①:鶴

鶴が描かれた振袖

万年の長寿を意味する亀と同じく、千年の長寿や生命力の高さを意味するおめでたい鶴の文様。
長い幸せを運ぶ鳥として、正月や慶事などに使用されます。

また鶴は一度パートナーと結ばれると、離れることはありません。
将来、生涯を共にするパートナーに巡り合えるよう鶴の文様が描かれた振袖はいかがでしょうか。

吉祥文様②:鳳凰

振袖に描かれている鳳凰

古代中国から伝えられた、伝説の鳥。
平和で幸せな世界が実現した時に現れる縁起のいい鳥とされています。
華麗で優美な姿をしていることもあり、飛鳥時代から好まれてきました。

「平和で幸せな未来を願う」という意味があり、成人式の振袖に人気の文様の一つです。

吉祥文様③:松竹梅

振袖に描かれている松竹梅

吉祥文様として有名な松竹梅は、「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と言われ、寒さや逆境にも負けない例えとされ、古くから尊ばれてきました。
神が宿る木ともいわれる松は、1年中枯れることがなく緑色なので「不老長寿」の意味が。
真っ直ぐ節目を付けながら伸びる竹は「成長」、寒い中でも耐えて春一番に花を咲かせる梅は「女性の強さ」を表現しており、「辛い時期を耐え忍び努力し続ければ、いつか美しい花が咲き誇る」という意味も持っています。

吉祥文様④:牡丹

振袖に描かれている牡丹

古くから「百花の王」とも称される牡丹の花。
花びらが大きくたくさんあるので、高貴さや美しさを意味するものとして愛されてきました。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」というように、昔から女性の美しさを表現する花でした。

一生に一度の成人式、華やかで豪華な牡丹の柄を振袖に選んでみてはいかがでしょうか!?

吉祥文様⑤:菊

振袖に描かれている菊

長寿を象徴する代表的な花で、無病息災、邪気払い、心身の安定など、さまざまな意味をもっています。
丸い形が太陽を思わせ、花柄の中で最も位の高い花とされています。
秋の花とされている菊ですが、季節を問わず使用することができます。

有職文様①:花菱(はなびし)

振袖に描かれている花菱

菱の葉に似た4つの弁を花びらに見立てて並べた、花菱という文様。
大陸由来で、古くから連続文様として使用され、平安時代には有職文様として公家や調度品、衣装に用いられていました。

有職文様②:七宝(しっぽう)

七宝が描かれた成人式の振袖

円形が永遠に連続して繋がっている七宝。
円満や調和、ご縁などの願いが込められたとても縁起の良い柄です。

もともと七宝とは仏教用語で、「金、銀、水晶、瑠璃、瑪瑙(めのう)、珊瑚、しゃこ」の7つの宝を意味しています。
七宝文様は、円刑の輪を「和」にかけて、人とのご縁や繋がりがこの7つの宝と同等の価値がある事を表現しています。

有職文様③:唐草紋

唐草模様の成人式の振袖

蔓草(つるくさ)が流線形に絡み合ったように葉、花、実をあしらい文様化したものを唐草紋といいます。
実際に唐草という植物は存在しないのです。
蔓をどこまでも伸ばす生命力が強い蔓草は、長寿延命・子孫繁栄の象徴の意味も含まれています。

有職文様④:亀甲紋(きっこうもん)

亀甲文様が描かれている成人式の振袖

その名の通り、亀の甲羅模様に由来する6角形の亀甲紋。
日本では長寿を意味する「鶴亀」に結びつくことから、非常に愛され、振袖の文様にも多様に使用されています。
お嬢様のご健康を願う、お母様とお父様の思いが込められた文様になります。

古典柄って何?

振袖に描かれている古典柄とは

振袖に限らず、着物の絵柄を、よく「古典柄」と呼ぶことがありあます。

でも「古典柄って何?」と疑問に思われる方も多いので、古典柄について説明していきたいと思います。

一言で言えば、古典柄とは「昔ながらの伝統的な柄」をさしています。

縁起がよいとされている「吉祥文様」や、平安時代に有職者の方が身につけていたとされている「有職文様」などがその代表です。

女性の美しさを引き立てるための模様とされていて、無病息災の願掛けの意味も込められているのが「古典柄」です。

柄に込められている意味を理解していると、振袖に限らず、着物選びや、浴衣選びなどにも役に立ちますよ。

まとめ

振袖レンタル・購入をお考えの方へ。振袖に使用されている色や文様の意味を知って、いかがでしたか?読む前までにレンタル・購入したいと思っていたデザインとは、違うものが気になり出した方もいらっしゃるはず。未婚女性の第一礼装である振袖。振袖1着1着に、色や文様の意味を込めメッセージ性を持たせるのは日本の伝統文化ならではです。「京都さがの館」の振袖は、1着1着に意味や願いを込めて丁寧に作っています。ぜひ、ご自身にピッタリの振袖を見つけに来てください。

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