はじめての成人式振袖レンタル!
安心できる基礎知識
振袖の選び方
振袖レンタルするなら技法や文様の意味を知ろう!
目次
成人式の振袖を選ぶとき、あなたはどんなことを重視しますか?
多くの方は色・価格などを挙げられると思います。
振袖の技法や、描かれている文様(柄)を重視する方は少ないのではないでしょうか。
でも、実際に多くの振袖を目にすると、同じ色でも柄が違っていたり、技法が違っていることに気づきます。
そうすると、「どっちの柄が成人式にはふさわしいの?」「どっちがどういいの?」と悩んでしまうもの。
振袖の文様には様々な意味・願いが込められているのです。
振袖のレンタルや購入の予約をする前に、ここで技法や文様について知っておきましょう。
今回はこれから振袖をレンタルされる方に、ぜひとも読んでいただきたい内容となっています。
レンタル振袖で多く見られる代表的な技法ベスト4とは?
成人式のためのレンタル振袖は、技法によって、着用したときの雰囲気はもちろん、金額も大きく異なります。
ではその技法とは、どういったものがあるのか?
ここでは代表的な4つの技法をご紹介します。
日本古来より、伝承されつづけてきた技法を意識すると、いざ振袖をレンタルし着用するとなったとき、その重みや思いが変わることでしょう。
友禅
振袖に触れたことがない人でも、一度は耳にしたことがあるでしょう。
友禅とは、元禄時代、京都に住んでいた人気絵師・宮崎友禅斎によって生み出されたといわれる技法です。
よって友禅染め=京友禅を表します。
友禅には、手描き友禅と型友禅と呼ばれる二つの技法があります。
防染用の糊を置き、細やかな模様を鮮やかに描き上げる技法を手描き友禅と言い、一方で、型友禅とはその名の由来通り、型紙を用いて絵柄を染める技法を言います。
また、友禅と呼ばれるのはなにも京友禅だけではありません。
石川県金沢市で制作される友禅は「加賀友禅」と呼ばれ、金彩や刺繍を一切施さないのが、京友禅や十日町友禅との違いです。
絞り
布の一部をつまみ、糸でくくって留めて染め上げる絞り染め。
染め上がった後に糸を外せば、くくっていた部分が白く残り、白い模様ができあがります。
この技法は世界最古の染色方法と言われており、紀元前から世界各地で同じような技法が見られます。
このうち、レンタルや購入の振袖に最も多く使われる技法というものがあります。
それがひった絞り。
子孫繁栄の意味を持つ文様で、ひと粒ずつ生地をつまんで染めると鹿の子模様(鹿の背中の斑点模様)を描くので、鹿の子絞りとも言われています。
紅型
型紙を使って染めていく紅型は、琉球王朝時代の沖縄で誕生した技法です。
南国特有の色遣いと特徴のある模様の配列が、エスニックな雰囲気を醸し出し、根強い人気があります。
一般的な紅型は、沖縄以外の他の地域で作られているものですが、沖縄で作られる紅型は本紅型と呼ばれ、非常に高価です。
辻が花
室町時代から安土桃山時代にかけて流行した辻が花染めは、江戸時代初期に突然姿を消し、幻の染めと呼ばれていました。
絞り染めに手描きの線や刺繍、箔などが加えられた伝統の技は、荘厳なまでの輝きを放ち、まさに芸術品です。
現在の辻が花は、複雑な模様と凹凸のある生地が作り出す量感が高級なイメージを演出します。
振袖をレンタルするなら知っておきたい振袖の代表的な文様ベスト10
振袖に描かれる文様(模様)は、日本の身の回りのあらゆるものをモチーフに図案化されてきました。
今回は、数えきれないほどの文様の中から、振袖に欠かせない古典的な文様を中心に10点ピックアップ。
振袖の文様にはどんな思いが込められているのか?
どんな思いを込めて振袖を着用するのか?
これから振袖をレンタル予約しようと考えている方必見のテーマとなっています。
早速見ていきましょう。
青海波(せいがいは)
波や水の流れをモチーフにした文様はいくつかありますが、その中でも青海波は、幾何学模様として有名です。
広い海がもたらす恩恵を感じさせる柄で、無限に広がる波に未来永劫へと続く幸せへの願いと、人々の安全な暮らしへの願いが込められた、縁起のいい文様です。
流水(りゅうすい)
青海波と同じ自然文様のひとつ。
流水には、竜田川文様、菊水文様、観世水(かんぜみず)文様などがあります。
どれを水に所以のあるものですが、水は流れて腐らず清廉であり、正義の意味が含まれているものばかり。
厄除けのお守りにも使われており、中でも尾形光琳の描いたものは「光琳(こうりん)の水」と呼ばれ、流水文様の代表格となっています。
亀甲(きっこう)
正六角形が並んだ幾何学模様で、亀の甲羅の文様です。
日本では長寿吉兆の象徴で使用されている文様。
帯の柄に用いられたり、振袖の裾近くの文様に用いられることが多く、中に花が入ったものを亀甲花文と呼ばれます。
小さな花をあしらった、とてもかわいい文様です。
扇面(せんめん)
ひな人形のお雛様が手にしている扇手といえばイメージしやすいかもしれません。
檜扇は形が優美なこと、扇面の絵の美しさからとっても人気な文様。
王朝文様として豊かさ・富の象徴・末広がりの吉祥文様であることも人気理由の一つとなっています。
貝桶(かいおけ)
貝桶とは平安時代から伝わる「貝合わせ」という遊び道具の一つ。
貝合わせは同じ貝同士はぴったりと合いますが、別の貝とは絶対に合わないところから、夫婦円満の象徴ともされています。
それゆえに、公家や大名家の嫁入り道具の着物の文様にも使われていました。
宝尽くし(たからづくし)
吉祥文様の一つで、宝物を集めた文様です。
如意宝珠・宝鑰・打ち出の小槌・金のう・宝剣・隠れ蓑・隠れ笠・宝輪などを散らします。
いずれの柄も福徳を招く文様として喜ばれ、振袖や着物には欠かせない文様の一つとなっています。
熨斗(のし)
熨斗文様のデザインは、もともとアワビの肉を薄く剥いで引き伸ばし、祝儀の進物や引出物に添えたものを文様化したもの。
アワビは現在も高級品であり、それに見立てた色柄とりどりの熨斗が束になって、おめでたい華やかさを演出します。
その中でも熨斗を中央に束ねたものを束ね熨斗といい、振袖の柄に多く使用されています。
桜(さくら)
日本人に一番愛されている花と言えば、さくらではないでしょうか。
さくらの「さ」は稲または田んぼの神を表し、「くら」は倉・蔵・鞍など座するところを表します。
つまり、さくらとは田(稲)の神様のよりしろというわけです。
日本人にとってさくらの文様とは、五穀豊穣を願った吉祥文様で、とてもおめでたいという意味が込められています。
季節の先取りとしても、冬の成人式の場で桜文様の振袖を着ることは、ふさわしいと言えるでしょう。
松竹梅(しょうちくばい)
松も竹も梅も寒さに耐える植物であることから、歳寒の三友と呼ばれ、強さを象徴した柄です。
松は神が宿る木とも言われ、一年中枯れることがないため「不老長寿」の文様。
竹は節目がまっすぐと伸びることから「成長」の文様。
梅は蕾の状態で冬を越し、春一番に花を咲かせることから「女性の強さ」の文様。
このことから、「不老長寿」「成長」「女性の強さ」を揃えた松竹梅の文様の振袖には、幸せな人生を歩むように、という願いが込められています。
鴛鴦(おしどり)
鴛鴦という鳥は夫婦で寄り添い、離れることがないことで有名な鳥。
そのことから「夫婦和合」や「夫婦の変わらぬ愛」を象徴する文様として喜ばれ、多くは結婚式でのお色直しや留袖などにも用いられている文様です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
振袖に描かれている多くの文様には、それぞれに意味や思い、願いが込められています。
今回、紹介させていただきました文様は以下の10点。
- 青海波(せいがいは)
- 流水(りゅうすい)
- 亀甲(きっこう)
- 扇面(せんめん)
- 貝桶(かいおけ)
- 宝尽くし(たからづくし)
- 熨斗(のし)
- 桜(さくら)
- 松竹梅(しょうちくばい)
- 鴛鴦(おしどり)